2020/10/8(木)「第16回JNB新事業創出全国フォーラム Online」にて授賞式を開催致しました

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会(略称JNB)では、第15回ニッポン新事業創出大賞の「アントレプレナー部門」「支援部門」における“最優秀賞”“優秀賞”“特別賞”及び、「地方創生賞」の受賞者を決定しましたので、お知らせいたします。

◆ 審査委員会 ◆ 

委員長 松田 修一      JNB副会長、早稲田大学名誉教授
委 員 各務 茂夫     東京大学 大学院工学系研究科 教授 / 産学協創推進本部 副本部長
 同  田子 みどり ㈱コスモピア  代表取締役
 同  野長瀬 裕二 摂南大学教授  学術博士 
 同  細川 正直     税理士法人 細川総合パートナーズ 代表社員   
 同  吉井 信隆     JNB副会長、インターウォーズ㈱ 代表取締役社長
(五十音順)

*「アントレプレナー部門」

経営者のアントレプレナーマインド(起業家精神)、事業の新規性、革新性、実績等を審査し、受賞企業を選出致しました。

*「支援部門」

斬新な支援制度を構築・実施することで、新事業創出やその事業運営を長年支援して、著しい実績をあげた個人(グループを含む)を審査し、選出致しました。

*「アントレプレナー部門 地方創生賞」

その地域に根差した諸事業を通じて、地域の雇用創出、経済の活性化等に広く貢献している企業に授与されます。

最優秀賞

<アントレプレナー部門>

経済産業大臣賞
公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

株式会社QDレーザ
代表取締役社長  菅原 充 氏https://www.qdlaser.com/

<事業概要>

三原色の微弱なレーザ光を直接網膜に高速点描画することにより、特に前眼部疾患(近視、遠視、白内障、円錐角膜等)や水晶体の無い人にも文字情報や動画情報を脳に送り届けることが出来る技術を開発した。安全性は医療機器承認を取得し担保されている。この技術を用いることにより、国内150万人、世界2億人のロービジョン者(WHOの定義によると、メガネ等で矯正しても視力が0.3出ない人)が個人差はあるものの視力を0.8程度まで取り戻すことが出来る。また、健常者が使用する場合、現実世界と追加される情報のピント移動が不要となるため、現在のAR/VR用ウエアラブルの最大の課題の一つである目の疲労を劇的に軽減するウエアラブルデバイスとして、ゲーム、作業支援等の既存市場に新たな価値を提供することが出来る。

<受賞のポイント>

事業の新規性や革新性に優れ、新たな市場を切り開き、日本のモノづくりベンチャーを代表する圧倒的に存在感がある新事業実施企業として、「経済産業大臣賞」に相応しいと判断いたしました。

<アントレプレナー部門>

中小企業庁長官賞
公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

株式会社ニットー
代表取締役 藤澤 秀行 氏http://nitto-i.com/

<事業概要>

新事業は革新的なアシストスーツ「アルケリス」の開発販売事業である。「アルケリス」とは、長時間立ち仕事に従事する方を対象に、脛と腿で体重を分散して支え、負担を軽減しながら中腰の姿勢で座ることができるアシストスーツである。開発の経緯は腰痛に苦しむ内視鏡外科医からのニーズで、長時間立って手術をするため、身体的負担を軽減するため、当社の強みである金属製品の設計~量産を活かし開発した製品である。「アルケリス」は当社、外科医、アカデミア、デザイナーと医工連携・産学連携で約4年間にわたって開発。世界で初めて実用化に成功し、2018年11月に医療分野で販売を開始した。現在アプリケーションは医療現場から産業現場へと広がりを見せ、100台を越える導入実績を上げている。

<受賞のポイント>

立ち仕事の多い飲食・警備等の産業界に対して先行優位なビジネスを展開できること、また、本業の金型で培った金属製品の設計から量産・組立技術を活かした新事業は、既存の中小企業のロールモデルとして「中小企業庁長官賞」に相応しいと判断いたしました。

<アントレプレナー部門>

独立行政法人中小企業基盤整備機構理事長賞
公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

株式会社biima
代表取締役CEO 田村 恵彦 氏https://biima.co.jp/sports/

<事業概要>

biima sports:早稲田大学教授陣とプログラムを共同開発。3歳〜10歳に特化した21世紀型教育の総合型キッズスポーツスクール。現在、全国80拠点以上で展開。特徴は「①総合スポーツ教育プログラム」「②非認知能力開発プログラム(21世紀型幼児教育)」の2点。①総合スポーツ教育プログラム最新のスポーツ科学に基づいた基礎運動能力向上プログラム。今までなかった、サッカー・バスケットボール・野球・テニス・陸上・体操などの複数のスポーツを総合的に実施。②非認知能力開発プログラム(21世紀型幼児教育)21世紀に活躍するために最も必要な能力と世界で注目されている非認知能力を向上させるプログラムを実施。ビジネス界で行われているリーダーシップ研修やマネジメント研修を幼少児期向けにカスタマイズ。

<受賞のポイント>

スポーツ指導者の育成を含む体系化された本事業は、新たな技術で市場に挑戦するベンチャー企業を表彰する「中小企業基盤整備機構理事長賞」に相応しいと判断いたしました。

地方創生賞

<アントレプレナー部門>

株式会社Otono
代表取締役社長 青木 真咲 氏https://otono.site/

<事業概要>

観光地で楽しめる劇場型音声コンテンツ「Otono」を、AIスピーカーを活用することで観光客の質問に回答する自動音声システムを開発した。Otonoの音声データをAIスピーカーに搭載、観光客の問いかけを音声認識した上で、その地に根付くキャラクターが適切な回答をするしくみである。その地ならではの観光情報を、無人・自動で楽しく提供することができるシステムである。本事業により、観光客は場所やタイミングに制限されることなく、自分が知りたい質問を投げかけることで適切でユニークな回答を得られ、観光の幅が広がる。さらに、AIスピーカーに蓄積された観光客の質問内容を活用することでその場所ごとにより適切な情報提供や設備の改善につなげるなど、観光地側にとっても従来難しかった顧客調査や満足度の向上への取り組みが可能となる。

優秀賞

<アントレプレナー部門>

株式会社キッチンヘルプ
代表取締役 山田 伸一郎 氏http://kitchen-help.com

<事業概要>

冷凍胡麻豆腐を主力に“調理場で作られた手作り感”をコンセプトに、冷凍とは思えない食感、風味のある商品を数多く開発し、伝統的な和食の継承、和食業界の調理場の環境改善に貢献することを目指し商品を開発、提供している。その中でも冷凍では不可能であった胡麻豆腐の開発は非常に画期的なものである。この冷凍胡麻豆腐の第一世代では温める事でモチモチ食感の胡麻豆腐の商品化を実現し、第二世代では解凍するだけで使用可能な胡麻豆腐の開発に成功し、第三世代の現在では凍ったまま盛り付け可能な商品へと進化し、日本中の和食調理場で親しまれる商品となった。自然解凍で提供でき、利便性に優れ人手不足に悩む和食の調理場の支援に貢献している。

支援部門>

株式会社ローカルファースト研究所
代表取締役 関 幸子 氏http://local-first.jp/company/index.html#

<事業概要>

三鷹市での産官学連携の経験を活かして、2009年各地域での経営資源を活用した新事業支援を目的として当社は設立されました。人口減少と高齢化の日本では、産業分類別の創業や事業創出は難しいと考え、1次・2次・3次と産業分類することなく、「社会の課題を解決する産業」「官民連携による産業」「先回りした産業」と分類し、課題解決の目的別の事業の創業・事業モデル構築を各地域で支援しています。具体的な支援内容には、東日本大震災を支援するための被災3県の自治体での中小企業支援、地方創生戦略に基づき地域資源を活用する事業構想と事業企画支援、PPP/PFI手法による官民連携の公共施設運営支援があります。

特別賞

<アントレプレナー部門>

株式会社CampusMedico
代表取締役社長 髙田 祐司 氏http://www.campusmedico.jp/index.html

<事業概要>

広島大学大学院医歯薬学総合研究科二川浩樹教授が発明したEtak(イータック)並びにL8020乳酸菌の特許技術を、複数の企業にサブライセンスすることでライセンス料を取得し、ライセンス料を広島大学に一部を還元している。これまで、CampusMedicoの2名で事業展開していたが、2017年より大手商社の三井物産グループと共同で事業展開を開始したことにより、国内外幅広い企業へ本特許を紹介できるようになり、国内のみならず、海外での商品化に向けて取り組みが加速している。また、両特許を活用し社会貢献を行うため、それぞれ協議会を設立し、市場動向他の情報や意識を共有するとともにし、相互協力の下で商品素材の普及促進活動や関連商品の寄贈活動に取り組んでいる。

<アントレプレナー部門>

西光エンジニアリング株式会社
代表取締役 岡村 邦康 氏https://www.seikoeng.jp

<事業概要>

新事業のコア技術は2012年に完成させたマイクロ波減圧乾燥技術であり、国内では食品製造企業を中心に認知され始めていた。このような中、政府広報誌「We are Tomodachi」2016 に、日本が世界に誇る技術としてマイクロ波減圧乾燥技術が掲載され、世界各国から同乾燥機への関心が寄せられた。これを契機に、当社ではこの技術を使って以下の2つの事業を進めている。①2018年より本格的に国内外に向けた販路開拓を開始するため、異なる分野の乾燥対象物に対応した「マイクロ波減圧乾燥機のシリーズ化」を実施している。②2%分散液で生産され、98%が水分の為に事業化が進まないCNF(セルロースナノファイバー)の水分を除く「マイクロ波減圧CNF濃縮機」を開発、世界のCNF業界から注目を集めている。

<アントレプレナー部門>

グリーンリバーホールディングス株式会社
代表取締役 長瀬 勝義 氏https://www.greenriver-hd.co.jp/

<事業概要>

弊社で進める小面積で多収量な縦型水耕栽培システムを搭載した植物工場を、佐賀エコプラザ(焼却炉)から排出されるCO2と廃熱を利用し、周年型にて「バジル」を現在栽培している。農地面積は約5,000㎡、1つの栽培ユニットサイズ560㎡×4棟がすでに稼働している(自社棟3棟・新規事業参入棟1棟)。 周辺地域の企業による農業事業参入もフォローアップしており、現在1社参入。地域雇用も同時に生み出し地域密着型で循環型な事業となっている。

<アントレプレナー部門>

大山食品株式会社
代表取締役 大山 憲一郎 氏www.ohyamafoods.co.jp

<事業概要>

当社では、全国に先駆けて開発した和製ホットソース「お酢ベースの液体柚子胡椒(商品名『マーシー』)の米国展開に取り組み、わずか4年で年間30万本と輸出量を飛躍的に拡大した。「マーシー」は、九州伝統の柚子胡椒、醸造酢、唐辛子等、原材料と熟成方法にこだわり、当社の発酵食品活用技術により「辛さ」「旨味」「酸味」のバランスなど最高の美味しさを見極めて仕上げたホットソースである。しかし米国向けには「辛さ」を感じるタイミングという微妙な味の変更が必要であることが判明。試行錯誤の結果、米国人の嗜好にマッチした「米国向けマーシー」の開発に成功した。これが米国展開への大きな転機となった。

※ホットソース:hot souce/唐辛子を原料としたソース、調味料の総称