新産業を創造し、日本復活を
資本金1円企業はチャレンジの証明

 

 景気に明るい兆しが感じられるが、デフレから脱却しつつあると見ることはまだ難しい。雇用面を見ても、4.6%(5月)という失業率は日本としては高い。東海地区の求人倍率は1.24と人手不足の状態にあるが、一方で北海道や沖縄などでは0.5と相変わらず就職難が続いている。
 経産省としては、新しいビジネスを展開するベンチャー企業に期待し、新規開業を促進する施策を打ち出している。その一つが、1円でも会社を設立できる商法の特例措置で、この特例を利用してすでに1万3000の企業が設立された。そのうち、資本金1円の企業が600社ほどあり、そこにベンチャー精神の発露を読み取ることができる。
 さらに、民間の投資ファンドも広がってきて、見どころのある企業を支援する動きが盛り上がっている。銀行も無担保・無保証の融資に踏み切っているし、産学連携ということで、大学発ベンチャーも増えている。 米国の1980年代のヤング・レポート(Yレポー卜)にならって、私は先般、「Nレポート」と呼ぶ新産業創造戦略を打ち出した。日本が世界最先端の技術を持つ情報家電やロボット、燃料電池など7分野を取り上げ、政策を総動員して支援していくものだ。中小・ベンチャー企業も、この7分野の技術をどう商品化していくのか、知恵を出し商機を見いだしてほしい。
 情報化時代といわれ、ネットワークの重要さが強調されるが、本当のネットワークは人のネットワークである。JNBには、自分の足りないところを補っていく中小・ベンチャー企業のネットワークをどしどし広げていってほしい。

中川 昭一

経済産業大臣