アイデアで規制を緩和し、地域再生を

下北半島では風力発電が起爆剤に

 大臣として構造改革特区や地域再生を担当しているが、このうち特区では民間からの申請が軌道に乗ってきた。民間の中小企業などからの提案が全体の3割から5割に増えてきたからだ。特区制度の特徴は民間業者が自分で提案して、規制を緩めることができる点にある。中小企業はもちろん、個人でもNPOでも、規制に苦しんでいる民間業者がこの制度を利用しない手はない。提案さえすれば、内閣府にある特区推進室が提案を後押しする仕組みになっている。中小企業のための制度と言えるから、どしどし利用してほしい。
 一例を挙げよう。青森県の下北半島は厳しい気候風土から農業も畜産も難しいと言われている土地で、少々の規制緩和や権限委譲では産業など起こりそうにないと思われがちだが、とんでもない。地元の建設会社が風力発電19基を建設したいと、特区を申請してきた。風が強いという地域特性を生かし、風力発電で起こした電気を大手電力会社よりも安い値段で売るのだという。大手電力会社は、「そんな電気は周波数が変動して質的に安定しないから安心して使えない」と言うが、そうだろうか。
 地元農家のビニールハウスの照明や温室向けに、あるいは十和田湖の旅館街向けに売る道もある。こういう需要先では、さほど厳密な質の高さは要求されず、風力発電による電力でも十分なのである。
 さらに地域特性を生かして、りんごや菜種の搾りかすでバイオマス発電を手がけようとする動きも出てきた。産業振興が難しいと思われていた下北半島でさえ、アイデアで規制を緩和し、地域再生につなげようとしている。一つの成功事例が生まれれば、次の運動の励みになる。そういう成功の連鎖をつなげて、全国の中小企業を元気にしていきたい。

金子 一義

内閣府特命担当大臣